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2015年3月



3月7日

2月の終わりから曲を作っている。
今年に入ってから去年『しめりけ』という曲を書いた時と同じ様な気持ちで過ごす事が多い。

そんな時に金子光晴の『寂しさの歌』を読んで、どこからくるか分からないこの気持ちの根源を突きつけられた気がした。

『しめりけ』を書いた時はだだ受け入れ崩れ落ちずに立っている事で精一杯だったけど、今回はどんな形であれ一歩を踏み出せるそんな曲にしたい。



3月8日  『昨日の続き その1』

van dyke parksの雰囲気とBeatles『abbey road』のB面メドレーをイメージしてアレンジを考えている。両者が圧倒的過ぎてどうにもこうにもならない。
それはそれとしていまの自分が出来る最善の選択肢はどこかにあるはずだと考えていたらあっという間に夜になってしまった。

だけどなんとなく突破口は見えた気がしている。気分は良い。



3月9日  『昨日の続き その2

昨日話した曲のサビにはコーラスを入れる事にした。
最後のひと展開は年が明けてからty segallを聴いていた影響が少し顔を出している気がする。
たぶん聴いても何処が?となるくらいなのだけど、自分にはそう感じる。
逆にty segallっぽいねと言われたらそれはそれでショックだけどね。

ty segallの様なロックンロールの感覚が僕は乏しいので、ただの腑抜けたアレンジになっていないかなんて思ったりもするけど、それはそれで僕らしいのかも知れないし、~っぽいというよりはその方が良いなと思う。



3月12日  『昨日の続き その3

曲のタイトルは作り始めた頃にパッと浮かぶ事が多いのたけど、今回はなかなか定まってくれない。これには凄く困っている。

形はだいぶ出来上がって後は『よし!君はもう大丈夫だ!』と強く思えたら良い。

その時までには名前を考えないと。

最近は間奏?第1後奏?でのメロディーに使う楽器を悩んでいた。(イメージではメドレーや小曲が繋がっている感じなのでどっちなんだろうか)

持ってもいないけどフルートだと綺麗すぎるし、リコーダーだと夕方感が出てしまいそう、口笛は良いんだけど出来たら楽器が良い、なんて色々考えた結果、メロディカのソプラノにしようと今日やっと行き着いた。
緑色の鍵盤ハーモニカで吹いているだけで満足してしまうような楽器なんだ。

スタジオで試してピッタリとあってくれたら嬉しい。

その前にドラマーのまりりんが吹いてくれるかが問題だ。



3月13日

宮崎駿『折り返し点』のサン=テグジュペリに寄せた[白蟻の塚から]、[「アニメーションがやるに値する仕事だ」と思わせてくれた作品『雪の女王』]を読み、音楽に惹かれたきっかけを、いまも作り続けたいと思えている事を再確認する事ができた。

幼い頃に『となりのトトロ』や『風の谷のナウシカ』を片手で数えるほどしか観ていなかったけど、いまになって宮崎駿さんの本や映画を時間をかけて少しずつ読んだり観ている。

他にも宮崎駿さんが影響を受けたであろう本なども少しずつ。(こうやって掘り下げていく事は音楽と同じだなぁと思う。色々な発見があって嬉しい)

その度に宮崎駿への憧れは強くなるばかり。

残念に思うのは音楽で同じような体験をする事が年々少なくなってきていること。

とはいえ最近聴いたワイズリーブラザーズやスイミースイッチの若い故の荒さを残した煌きや、ケバブジョンソンの真摯に音楽と向きあい日常を過ごす中で生まれてきたであろう音楽、シャムキャッツのインタビューを読んだ後に改めて聴いた『たからじま』から『AFTER HOURS』『TAKE CARE』へのインタビュー内容に偽りのない素晴らしい変化を目の当たりにして音楽の素晴らしさも再確認もしている。

立ち止まってはいられない。



3月14日  『瞬間』

陽が落ちてゆく数分間の淡いピンク色の空が今日は良かった。
それは一瞬の事ですぐに青が侵食してしまったけど。(侵食と言うと言葉が悪いけど今日はそんな気分だった。青が混ざっていく空は寂しさを含むけど綺麗だ)

ふと目に入った付き合いたてらしい中学生2人のたどたどしさがそんな空に相まって、一瞬で気持ちを掻き混ぜて過ぎて行ったのでたまらなくなってしまった。

行きつけのベンチにはついさっきまで先客がいた形跡があり、僕はその跡から想像を膨らませた。


それだけで今日が良かったと思える瞬間だった。



3月15日  『近況と予定』

先週から春の間に作り、残しておきたかった曲の録音に入りました。

去年の10月頃から次の音源はこの2曲(『ピクチャー』と『テーマ』)と固まってきてはいたのだけど、初LIVEもあり慌ただしくなってしまった。
とはいえ、まりりんの頑張りでドラム録音までは終わってひと息ついたところ。
来週にはギターを録音。
順調に進めば次のLIVEにはなんて考えてはいるけど、どうなるかは頑張り次第って感じです。

そんな次のLIVEは5月のGW明けの予定。
気が付けば春に追いつかれていたので、すでに焦ってはいるけどね。

スタジオではLIVEに向けての新曲(去年の終わりに作った『さかさま』という曲)も練っているので余計に。

8月辺りになんて話している候補の2曲は頭の片隅で準備を始めて、秋が終わる辺りかなーとぼんやり考えている曲が最近の日記に書いている曲。

そんな事を考えていると1年なんてあっという間だ。
駆け抜けていきたい。



3月16日  『好きになる理由を挙げるとしたら』

『庵野秀明のフタリシバイ』を一気に読み終えた。

読んでいる瞬間瞬間にも色々な事を感じ、「よしっ!曲と向き合うか」とその日ギターを持つきっかけになったり、磨り減った気持ちが埋められ、整地される感覚になったのだけど、そのどれもが人に話して共感を得るとか、この本を勧めたいと思う気持ちとは違う気がするので内容については語れる気がしない。



[あとがき]が凄く好きだった。
文章というモノが苦手と始まり「妙に構えちゃってサクサクと気楽に書けない。何事も複雑に考え過ぎて結果、思慮が足りない、とか。余計なコミュニケーションの空転を生んでるだけ」と続く。
その後、まとめられず崩れていく文章からは、はっきりとその人が見えた気がした。(意図してそういう見せ方なのかもしれないけど)

何年前かに峯田和伸さんのブログを読んで「あーこの人好きだな」と思った気持ちに近いのかもしれない。

個人的には初恋と言ってもいいミンキーモモの声を出していた林原めぐみさんの会話からにじみ出ている雰囲気が魅力的でなんだか嬉しくなってしまった。

人が良く表れていて、僕はこの本のそんなところが好きなのだと思う。



3月17日  『もらげのロマン』

食べ慣れないベトナム料理屋でメニューに『豚耳ともらげ等のパテ』と書いてあるのを見つけ、『もらげ』ってなんだ!?と瞬間に惹きつけられた。
『もらげ』はもちろん、その後に続く『等』にも興味をかきたてられた。

店員さん呼んで迷わず「このもらげ等のパテをください」と言うと店員さんは「くらげですが‥』と一言。
じゃあ変えますとも言えず、まだ『等』に希望はあるからと自分を納得させて待つこと数分。

再度店員さんが一言『すいません。キクラゲをきらしてしまい、提供できません。』

その瞬間、謎のメニューに託したロマンは崩れさり、他のメニューに変更して食事を済ませた。(美味しかったから全然いいんだけどね)

結局くらげはキクラゲの事だったのか、それともくらげ以外の『等』の食材にキクラゲが含まれるのか、謎は解けないままでいるので、機会があればまたいつか食べに行きたいと思っている。



3月18日  『地味な作業の繰り返し』

先日録音したドラムの編集をポチポチとやっている。
そのままの演奏を使いたいので、波形の移動や差し替え等は一切していない
ただ整える作業だけは丁寧に。
地味なくせに面倒ですぐに飽きてしまう。

飽きると気分転換に週末に録音するギターフレーズの確認をしたり、ふと気になった箇所を手直しするのだけど、それに熱が入り始めるともう大変。

ひとつのフレーズを変えたいと思いたった為に、そのパート全体が瓦解してしまった。
エンディングの8小節のフレーズを変更する事に1日も使ってしまったよ。
でも納得できるエンディングにはなった気がする。ひと安心。

他にも気になる箇所が出てきそうだけど、さすがに慌ただしくなりそうだ。
なのでまたパソコンをポチポチする作業に戻ります。

でも飽きたら録音をするギリギリまでは同じ事を繰り返してしまいそうだよ。



3月19日  『録音について』

今日は「あともう一歩」と頭の片隅に引っかかっていたコード進行がやっと頭に浮かんだ。

気分が良いのでこのまま日記も書いてみる。
去年からずっと自分達(2人)だけで何処までやれるかを試している感覚でやっている。
音源については2人で演奏するLIVEより曲の雰囲気が分かりやすい様に、それに加えて生の演奏の感じを出したいという事も強く思っている。

なのでドラムの手直しは一切せずにワンテイクをそのまま使っている。

ギターに関しては今も考え中なのだけど、フレーズを重ねるのは多くても3本と決めている。(なるべく少なくしたいけど)
そしてその3本の各フレーズを個別に録音していくのではなく、一曲を通して演奏出来るように音色が近いフレーズや、通して弾いて違和感がない組み合わせを考えるという作業をしている。
ひとつの曲に対して3人分のアレンジを考えている感じ。
またはパズルのピースをひとつずつはめていくのではなく、3本の紐を撚り合せて1本にするイメージだろうか。

とにかく同時に複数の事をやるのは苦手なので頭の中はいっぱいいっぱいだけど、出来るだけそのやり方で録音したい。

前回の『ちょっと/terror』を録音した時、頭の中ではナンバーガールの『SCHOOL GIRL BYE BYE』とマイクロコズム『落し蓋』のような録音イメージがあったのだけど、今回もその延長でどんな感じになるかなという感じです。

次回は違うやり方で録音したいなとぼんやりとしたイメージはあるけど。

色々と試している感覚でいる。



3月22日  『ギター録音』

ギター録音1日目。

頭の中でイメージをして、一週間前から「今回はそこそこやれそうだ」なんて気持ちでスタジオへ向かったのだけど。いざやってみるとやっぱり難しい。

いつかスタジオに篭り、ひたすら録音について色々と試してみたいと初めて思った。
今はやれるだけの事はやって経験になれば良いとも思う。とりあえず必死に作っている。
今日は3時間で一曲だけ録音をして終わった。続きはまた来週に。



3月24日  『きもち』

曲が出来た。
しかもタイトルもメロディも歌詞も全部。

ミックスをしたり、録音するフレーズやらを確認してる合間に急に。
いつもはコードやメロディー、歌詞が掴みかけた瞬間に隙間から落っこちてしまうのだけど、今日は上手く捉えられた気分だ。
こんな事は稀なので、少し浮かれてしまう。

作った後、曲を確認して「こんな曲も作れたのか」と笑ってしまった。

一気に歳を重ねてしまったかの様な渋さで、歌詞を読み返し気恥ずかしさからまた笑ってしまった。

最近はかつて強く想っていた、若く煌いている感覚に憧れ、必死にしがみついていたのだけど、その反動が急にやってきたみたいだ。

きっとケバブジョンソンを観てからだと思う。(ケバブジョンソンの歳を重ねてきたからこその煌きにグッときた)
今のタイミングで素晴らしい音楽を聴くことが出来て本当に良かった。

バンドでは間違いなく浮く事が分かっているけど、どうしたって愛着は抱いてしまう。
この曲をどうしたものかと嬉しくも悩む。



3月31日  『リヴァース・クオモを想い、馳せる』

一応というか楽器の録音が終わったので、今は歌の録音前にと仮のミックス作業をしている。

2回目とは言っても相変わらず分からない事だらけで、録音した音を聴いては参考書らしい本をちら見して、音楽を聴いたりしては作業に戻るって事をひたすら。

合間にデイブ・フリッドマンやアルビニの記事をネットで探し、読んではマイキングからやり直したくなったり、終いには録音したテイクの粗さばかりが耳に障って嫌になったりしている。

気分転換にweezer『Pinkerton』を大音量で聴いた。

暴力的に鳴り響く音に押し出されたかの様に、自分の中で湧き上がってくる感情にたまらなくなった。歌声が凄く胸に響いた。

今日までこのアルバムの良さに気がついていなかったけど、初めて分かったそんな気持ちでいる。
歌詞は分からないし、歌詞カードを読んでまでして知ろうとも思わないけど。(それをせずとも歌声を聴いただけでこんな気持ちでいるのだから)

リヴァース・クオモを好きになった瞬間だった。


話は戻して、ミックスをしている『ピクチャー』は今日の様ないつかの春の日を思いながら作った。
窓を開ければふれる事が出来る春の感覚と、好きになったばかりの『Pinkerton』を頼りにやっている。