3月12日 『今日の光景と近況を』
目の前を母親に連れられた幼い兄妹が歩いていた。
普段から車があまり通らない横断歩道を母親とお兄ちゃんが左右を確認して渡り始める。
妹はお兄ちゃんに何か言った後、ぴたりとくっついてキョロキョロと首を左右に振りながら手を精一杯に挙げ数メートルの短い横断歩道を渡って行った。
ふと視線を前に向けると信号が赤だった。
それを確認した瞬間に車が来ないかと気にしながら必死に手を挙げていた妹の気持ちが少し分かった様な気がした。
幼い頃に今日みたいな日があった気がして少し懐かしく思った。
3月13日 『あいだの季節』
久しぶりのスタジオ。
2週間入らないだけで久しぶりと思う活動が出来ているのだからがむしゃらにやらなくてはいけない。
今日から新曲作り。
ひと足先に夏。
気怠い昼下がりと夜の匂いを必死に思い出してる。
と考えながら春も待ち遠しく思ってる。
花見がしたい。
なんて言いながら冬にも未練がある。
雪だるまが作りたい。
秋はどんなだったか。
道に落ちたイチョウの葉の上を滑らないように気をつけて歩く。
カーディガンの編み目の隙間から入り込んでくる冬が近い事を感じさせる冷んやりとした風も。
そしたら今度は冬が恋しくなる。
そんな感じであっという間に過ぎるから困る!
今日のBGM
taiko super kicks『低い午後』
Dr.Duloc『Portland Oregon』
3月18日 『風が強く吹いた日』
伸ばしっぱなしだった髪を切ったからか、春らしい陽気だからか、それとも少し誇らしげな顔の卒園式、終わりの園児を沢山見かけたからか。
数時間前と比べ確実に気持ちは軽くなった。
歩きながら通りに面した路地に目を向けると3才くらいの女の子とお母さんが目に入った。
その瞬間に強い風が吹き、女の子は凄く気持ち良さそうな表情で両手を広げくるくると駒の様にまわった。
通り過ぎる2秒くらいの出来事だったその光景が今日一番に良かった。
春を過ごしていると思った。
3月20日 『明るい幻』
久しぶりに散歩をしたらやっぱりというか良いもので、いっぽ歩く度に少しずつ元気になっていく感覚がした。
歩きながらキセルの『明るい幻』を聴いて「なんでもっと早く聴かなかったのだろう」と悔やんだ。
『凪』以降、そんなに変化はないだろうと活動をチェックしていなかった。(『凪』も素晴らしいアルバム!)
実際に曲調に変化はないのだけど濃度がまた違った。
より濃く深くなっているそんな印象。
派手さはないけど誠実なバンドだという事を思い出した。
僕はすぐ忘れる。
『明るい幻』を聴きながら自然と色んな想いを振り返った。
明日にも目を向けられている。
そんな素晴らしいアルバムだ。
今日のBGM
『明るい幻』 / キセル
3月21日 『バトン』
aikoが好きな春の歌でサウンドスケジュールの『吠える犬と君』をあげていたり、ceroがラジオで谷村有美の『21世紀の恋人』を紹介していたり。
何処かで繋がっているのを感じて心強く思った。
いつかのLIVE終わりに「deerhoofっぽい雰囲気があって格好良かった。」と伝えてくれた事、僕のスティーヴン?マルクマスを想う気持ちを感じとってくれたり。
繋がっていてくれたら嬉しい。
「映画を作るのはリレーの様なもの。受け取ったバトンをそのまま渡すのではなく、一度自分の体を通して次に渡す。」宮崎駿のインタビューで読んだ内容が頭に浮かぶ。
出来ているかは怪しいけれど、そんな気持ちで音楽を作っていきたい。